【エシカルノーマル公式】 環境に優しいハウスクリーニング

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本当のエシカル消費率。光と闇

序章:エコバッグはエゴバッグ

僕の先輩経営者でYさんって方がいるんですが(本当にYって名前じゃないですからね)たまに飲みに行くんですね。
で、「そろそろ宴もたけなわ」ってタイミングで「トイレ行ってくる」と席を立ち、「おしっこにしては長いな・・もしかして?」と想像させるぐらい経って帰ってくるけど、【お会計は済ませてない】という珍しいタイプの人なんですね。

そんなYさんが言ってたんですが、
「俺は絶対にエコバッグを持ち歩くようにしてる。忘れた時は購入する。だから家にエコバックが20個ぐらいあるんだ」
と、なぜか誇らし気に。

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前回会った時はエコバッグにエコバッグ2つ入れてた


正にエゴバッグ。
善意は確かにあるんだけど、その善意が社会の構造を動かす力になっているかと言われれば、正直首をかしげますよね。

近年、日本の公的調査では「エシカル消費を実践している人が三割超に増えました!」と報じられることがあります。
でもその実践の中身を見ると、最多はごみ分別やエコバッグ、節電・節水といった生活習慣。
大切だけど、児童労働の排除や動物福祉、企業統治に投票する購買と同じパレットに入れると、論点が滲みますよね。

ここから先は、数字の「表と裏」を丁寧に開き、闇を見つめたあとで光の出口を示したいなと思います。
Yさんに愛をこめて。

第一章:数字が大きく見える理由――調査設計の影

近年の「実践率」上昇の陰には、いくつかの設計上の要素があると思っていて。

①定義の希薄化
日常の省資源行動と、サプライチェーンに影響を与える購買選択を同列に計上する。

②自己申告バイアス
社会的に望ましい行為は自己評価で過大計上されがち。

③プライミング効果
行動例の提示が回答を押し上げる。

④合算の魔法
「よく」+「時々」を合算して全体母数で割る。

⑤粒度の混在
価格プレミアムや情報探索を伴う行動と、追加コストゼロの習慣が同列。

⑥想起容易性
週二回の分別は思い出しやすく、年数回の「意思ある購買」は埋もれる。

結果として「エシカルの地表」は広く見える一方、「地中の根」は細い。
率が大きいほど安心し、思考が止まるという逆説が起きやすいんですよね。

第二章:本来のエシカル消費と「摩擦」


国際機関や学術の文脈で語られる本来のエシカル消費は、少なくとも次の軸を含みます。

・人権・労働(児童労働や強制労働の排除、公正賃金)
・動物福祉
・健康・安全
・環境負荷
・企業統治と説明責任

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AIが描くイラストってだいたいこんなテイストですよね


言い換えれば、「この購買はどんな世界線を太らせるのか」を自分に問い続ける行為ですよね。
この基準で日本の実態を推し量ると、コアな実践者は人口の一桁%、僕の体感では五%前後にとどまります。

ハードルを上げているのは三つの「摩擦」で、
第一に可視性の不足
サプライチェーン情報や検証可能性が断片的で、比較の土台が乏しい。
第二に取引コスト
探す・比べる・確かめる手間が大きい。
第三に価格・体験のハンデ
理念が強くても、品質・味・デザイン・利便性で負けると継続しない。
理念を価値に変えるには、摩擦の小さい設計が必要なんだと思います。

第三章:海外比較「日本はどの位置にいるのか」


欧州でエシカル消費の裾野が広いことは周知の事実。
英国ではフェアトレードやエシカル市場の定点観測が進み、「頻繁に選ぶ」層は概ね四割前後、カテゴリーによっては八割近いと言われています。
ドイツや北欧も同等かそれ以上で、ラベル制度やサプライチェーン透明化が購買行動を後押ししています。
米国は価値観の分極が強く、企業の姿勢を重視して選ぶ層は一割前後に張り付きますが、カテゴリ間のばらつきが大きいのが特徴。

アジアに目を向けると、韓国はゼロウェイストや環境配慮意識の可視化が進む一方、価格差を伴う購買行動はまだ限定的
台湾は有機や社会起業のエコシステムが育ち、中小のフェアトレード・オーガニックが都市部で拡張中。
中国は「倫理」よりも安全と健康リスク回避が主動機になりやすい。

この文脈で日本を位置づけると、アジアでは中の上、欧米先進地域と比べると一歩後ろ
調査の表面上は三割超でも、「企業や労働・動物福祉まで見て選ぶ」行動に限定すると、一割に満たない層が厚い壁になっています。

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当社比

第四章:島国と「水」。危機感が立ち上がりにくい理由

エシカルノーマルとしての視点で語ると、
日本は雨が多く水資源が比較的豊かだという安心感が強いですよね。
下水道の普及も全国で八割前後まで進み、日常的に水を「流せば消える」感覚が根付いたと思います(僕は実家が「汲み取り式」だったので、し尿の行き先についてよく親と会話しました)

だけど実態はそう単純じゃない
高度処理(窒素・リンや難分解性物質の除去まで踏み込む工程)まで整っているのは全施設のおおよそ三割程度にとどまり、地域差も大きい。
強アルカリや一部の溶剤系、界面活性剤の種類によっては処理の負荷が跳ね上がり、河川や沿岸の生態系に影響が残ることもあります。

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一般的なハウスクリーニングで使う洗剤は、高度処理でしか分解できないものも多い


ここに、エシカル行動の「方向づけ」の難しさがあると思ってます。
「素早く落ちるから」と強烈な洗剤を使ったり、善意で「自称・エコ洗剤」を多用したり、そんな行動が処理能力の限界を超えてしまう場合だってあるんですよね。
「知る前の善意」は尊いけど、「知った後の選択」こそが環境側の成果に直結すると言っても過言じゃないんです。

第五章:知識が行動をつくる。「知らない」から「0を少しずつ1」へ

しばしば「知っているのに行動しない」ことが問題視されるが、実務の現場で体感するのはむしろ「知らないから行動もゼロ」のほうが圧倒的に多いという事実です。
水処理の仕組み、薬剤の性質、ラベルの意味、価格差の理由・・
これらを一度、体系的に知れば人は驚くほど動く。

行動の大小よりも、正しく理解したうえで選ぶことに価値がある。
今日からすべてオーガニックに・・などと肩に力を入れなくていいんです。
まずは「物語ではなく、仕組み」で学ぶこと。
次に「仕組みがわかる選択肢」を一つだけ試すこと。
それだけで、世界線はわずかに変わる。

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黒板にエアコンを設置するという狂気


第六章:エアコンクリーニングという入口

学びは、生活のごく近いところから始まるのが一番いいっしょってことで、例えばエアコンクリーニング
依頼の動機は「冷えが悪い」「カビ臭い」「電気代を下げたい」とかが多い訳ですが、そこで使う洗剤の性質や希釈、排水の行き先、家庭の下水道区分、ペットや子どもへの影響――これらを作業の前後で短く説明できたら、「家族の健康と水環境」が一本の線でつながる体験になると思うんですよね。

小さな「へぇ」の積み重ねが、善意を方向づける。
洗剤を一本買い替える、すすぎ量を見直す、詰め替えを選ぶ、容器を回収に出す。
どれも小さいけど、知ったうえでの一歩は、知らないままの十歩より遠くへ届くのだと思います。
エアコンクリーニングは、家の空気をきれいにするだけでなく、水の循環を学ぶ入口にもなり得るんです!

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結び

僕たちエシカルノーマルは、「正しさ」を押しつけたりしないことを約束します。
代わりに「選び方の地図」を渡すんです。
一人ひとりの生活圏で、小さな学びが次の行動につながるように、今日の一票を、ていねいに。
現場で疑問があれば、遠慮なくスタッフに聞いてほしいんです。
「なぜそれを選ぶのか」が対話される場こそ、エシカルの芽が育つ場所だから。
一緒に一歩ずつ進みましょ。

やっぱり最後はエシカルな仲間募集!

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商品・サービスがコモデティ化してきたことで、ビジネスには今まで以上に「社会的視点」が必要になってきたんだと感じています。

ハウスクリーニング業界のエシカル消費率を8割に持っていこうとしているエシカルノーマル。

FC募集を始めて2年(現在24店舗)、「月に1店の限定募集!」という緩やかな感じで、2026年3月までに30店舗を目指しています。

「新しいことに挑戦したい!」
「どうせならもっと世界を良くする仕事を!」
と考えてるあなたへ、「ぜひ仲間になってください!」と言いたい。

実際に声に出すわけではないですが、言いたい。
こっちばっかり言うの恥ずかしいのでそっちから早く言ってきてください。

ご興味がある方はFC向け事業説明動画を見てください!

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