以前から私淑(直接教えは受けられないが、その人を模範として慕い、学ぶこと)している方が数人いるのですが、その内の1人が山口周さん(独立研究者・著作家・パブリックスピーカー)です。
「役に立つ」から「意味がある」への価値シフトの話や、「経済成長の限界という状況を受け入れ、高原社会に軟着陸していく」といった表現は、僕が言語化できずにモヤモヤしていることをこれ以上ないぐらいにバシッ!と言語化してくださり、あたかも自分で考えた表現のように公の場で口から出てしまう時があります(ノットエシカル)
そんな尊敬しかない周さんに対し、気になる点を強いて挙げるとしたら、
「息をするように横文字を使ってしまう」
ってことぐらいです。
最新刊の「クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ」の中でも、
コンピテンシー
イニシアチブ
アファーマティブ
アジェンダ
アクテイビィスト
モーメンタム
テクノクラート
みたいな言葉を、遊び人から賢者になったばかりのウレシ(通じるか?)ぐらい使いまくるんですよね。
ここまで来ると、ハゲている友人をイジる際にも
ハゲティビスト
ケナシアチブ
モウコンナム
など、カッコよくいじって「お前に言われたくないわ」と返されてそうです(やめろ)
山口周さんが唱える「クリティカルビジネス」が今回のテーマなのですが、僕の解釈だとこんな感じ。
・社会問題とはそこに横たわっているだけのただの問題。その問題を多くの人が「解決すべき問題」だと認識した時点でそれは「社会課題」になる
・ソーシャルビジネスとは「社会課題を解決するビジネス」なので、言わば一定のコンセンサスがとれた問題を解決するビジネス
・対してクリティカルビジネスは、社会的にはまだ浮き上がってきていない、もしくは今まで当たり前として諦めていたもの、でも当人は解決すべき課題だと強烈に認識しているものを解決するビジネスのこと
この時点で「社会的にまだ課題だと認識されていない問題の解決」を事業にするってことなので、果てしなく難易度高いですよね?
市場規模がわからないし、スタートアップがリソース的にやっちゃいけないとされている「啓蒙活動」が付いて回るし、最終的にどこまで行っても「自分だけが課題と思っていた」で終わる可能性もある。
でも、だからこそ遣り甲斐があるし、手に入るものがある。
その最たるものが「アジェンダホルダーになれること」です。
「〇〇と言えば〇〇」
みたいな。
「ハンバーガーと言えばマクドナルド」
「環境問題と言えばパタゴニア」
「月曜と言えばジャンプ」
みたいな。
アジェンダホルダーになるとまず顧客の「第一想起(最初に頭に浮かぶ)」になれる。
第一想起になれれば、追随する他の企業が似たようなキーワードで顧客獲得しようとすればするほど、「あ、でも〇〇と言えば〇〇だよな」となって、他社の宣伝広告費で自社の宣伝をしてもらってるような状態になる。
確かに一定の認知度がある課題だと、その課題解決に挑戦してもなかなかそこのアジェンダホルダーにはなれません。
だけどもし、「新品の箱ティッシュの1枚目を取る時に、必ず2枚目が付いてきやがる問題」の課題解決を僕が成したとしたら、きっとどこのメーカーの箱ティッシュを使ってた人でも1枚目を取る度に僕を思い出すと思います。
ここまで読んでエシカルノーマルファンの皆さまはお気づきだと思いますが、その通りです!!
エシカルノーマルは完全にクリティカルビジネスなんですよね。
「ハウスクリーニング業界による環境負荷」
なんて、「言われてみたらそっかー」って感じだと思いますが、今まで誰も口にしてこなかったし社会的関心はほぼ0でした。
ただ、当事者である僕たちからすると「どうしても解決すべき課題」だったんです。
だから専門家集めて新しく会社作って、啓蒙なんて時間もパワーもいることを3年間やりながら仲間を募ってきました。
もちろんまだまだ道半ばですが、現時点でも「エシカルなハウスクリーニング」で検索してみたら、5、6ページまでエシカルノーマルしか出てきませんし、最近は名乗ると「あー!環境や健康にいいお掃除をやってくれるっていう会社さんですよね?利用させてもらったことあります」なんて言っていただける場面も増えてきており、少しはアジェンダホルダーになれてる気がします。
そうなってくるとこれから他社が「うちはエコ洗剤使ってます」「環境配慮型でやってるんです」って言えば言うほど、「それってエシカルノーマルさんでは?」と連想され、他社の広告宣伝費で宣伝してもらってるみたいな状況になるわけです(申し訳ない)
更にクリティカルビジネスであることの良いところはもう1つあって、もし「ハウスクリーニング業界の環境負荷」を『活動』としてやってしまうと、どうしても「この業界は劇薬をふんだんに使っているでしょ?もっと環境に配慮してください!」みたいな「悪口」「攻撃」に近いユーメッセージになってしまいますが、僕たちは「私たちは劇薬を一切使いません」というアイメッセージとして発信できる。
些細な差に見えますがアイメッセージは無駄な敵を作りにくいし、社会的に問題を解決しようと思うと『共感』が命なので伝播していく際に大きな違いになっていくんですよね。
そんな数少ない日本のクリティカルビジネス、エシカルノーマルももうすぐ設立して3年半。
FC募集をゆるやかにスタートして1年ちょい(FC店は現在16店)
まだ顕在化していない環境問題の解決に本業ど真ん中でアプローチできる、子どもたちに胸を張れるお仕事であり、やらしい話をするとこの時点で加盟することであなたの地域でめちゃくちゃ先行者メリットを取りに行けます。
FC加盟に興味ある方はぜひ僕にご連絡いただけるか、まずはこの動画を観ていただければ人間万事塞翁が馬です。
そして最後にちょっとお知らせなんですが、エシカルノーマル全く関係なく「TPOTシャツの人」として12/28のMBS「明石家電視台」に出演します。
関西ローカルですが観れる人は観ていただけると嬉しいです✨