先月の記事の冒頭で「口臭」について書いたんですが、思いの外反響をいただきました。
「本川さんと話す時は口臭気になるんで、これぐらい離れますね」
と、完全に人間関係を破壊する人も現れて、これ以上ない苦笑いを振りまいています。
僕は別に臭いに超敏感なワケではないですが、それでも夏場は起きた瞬間に
「この部屋ザリガニ死んでる?」
ってなるし、自分の足の親指の爪を切ってる時に出る僅かな粉状のものが気を失うほど臭かったり、1日外で汗を吸い続けたタオルを夜に洗濯機に入れる瞬間の臭い、ひと夏履き続けたサンダルの臭いなど(汚い話ですみません)、要は生体ゆえに発生する自分の臭いが苦手だったんですが、最近柔軟剤や合成洗剤など、ケミカルな臭いも気になるようになってきたんですよね。
化学物質過敏症とか香害とかってワードを聞くと、そうじゃない人たちは「臭いぐらいで大げさな・・」って思う人が多いんじゃないでしょうか。
でも実際に苦しんでいる人の話を聞いたら、かなり深刻でびっくりします。
「隣の同僚の柔軟剤の香りで、毎朝吐き気と頭痛で出社できない」
「授業中に子どもが香りでふらついて倒れそうに。でも先生に相談したら『精神科行け』と言われた」
こんなエピソードは枚挙にいとまがありません。
これは「化学物質過敏症(MCS:Multiple Chemical Sensitivity)」と呼ばれるもので、微量な化学物質に対して身体が極端な反応を起こしてしまうアレルギー症状。
症状は多岐にわたります。
頭痛、吐き気、動悸、皮膚の違和感、集中力の低下、息苦しさ…
で、よくある誤解がこれ。
「気のせいじゃないの?」
「神経質すぎるんだよ」
そうじゃないんです。
SPECTやfMRIなどの画像診断でも、MCSの人の脳は「実際に反応している」ことが確認されている。
つまりこれは、「気のせい」ではなく
「気のせいってことににされてきた病気」
なんですよね。
花粉症のケミカルバージョン、と言えば伝わりやすいかも?
では、MCSの引き金になりやすいものって?(とAIに聞いた)
国内外の調査や患者アンケートで頻出する「トリガーTOP5」はこちら。
1.揮発性有機化合物(VOC)類(溶剤、接着剤、塗料、建材、ホルムアルデヒドなど)
2.香料製品(柔軟剤・芳香剤・香水)※マイクロカプセル含む
3.洗剤・クリーナー系(合成香料入り)
4.タバコ・電子タバコの煙
5.排ガス・農薬・重金属・電磁波など環境刺激の複合要因
特に「香料系」、特に柔軟剤。
最近は「1回の洗濯で香りカプセル1億個」なんてCMもあるけど、MCS当事者からしたらそれは「1億の地雷」なんですよね。
「そりゃあエシカルノーマルに依頼来るわ・・」
って思います💦
なぜ、こんなにも強烈で長持ちする香りが作られるようになったのか。
理由は明白で、「売れるから」ですよね。
企業は差別化のために 「高級ホテルの香り」「香り12時間持続」など次々に打ち出す。
その結果、「香り競争」が始まり、製品はますます刺激的に。
でも、そこに「これ、本当に万人の健康に悪い影響ないのかな?」という問いを挟む余地は、資本主義社会のマーケティングには存在しなかったということなのかなと。
資本主義において「売れること」は正義。
香りが売れるなら、それが仮に人体や環境に悪影響を与えるとしても「売れればOK」になってしまう。
MCSは、そんな「売り続けなければならない社会」が生み出した副作用の一つなのかもしれません。
実は、MCSって今、急増中なんです。
世界のデータ
・アメリカではMCSの医師診断率が、2006年の3.9%→2016年には12.9%。
・カナダや欧州でも、自覚率は20%を超えてきている。
日本の見通し
・現在推定100万〜700万人がMCS、またはその予備軍とされている。
・このままの増加ペースが続けば、10年後には1500万人以上になる可能性も。
・これは、日本における花粉症(アレルギー性鼻炎)有病率と並ぶ、あるいは上回る規模になる可能性がある。
もはや「一部の人だけの症状」ではないのですよ。
僕もその一員になりつつある、現在社会特有の課題に急成長中なんです。
さて、ここで一つ大事な視点を。
MCSの話になると、よくこういう対立が起こります。
・「科学的根拠がないから信じない」vs「でも本人は苦しんでる」
・「気のせいじゃないの?」vs「じゃあ自分が体験してみてよ」
でも実はこの対立、「論理的思考力」と「社会的知性」のバランスが悪いってのが原因なのかなと。
● 論理的思考力とは?
→ 情報を整理し、因果関係を捉えて結論を出す力。
● 社会的知性とは?
→ 相手の立場や感情、背景文脈を察し、適切に関わる力。
MCSという現象を理解し、社会で支援していくためには、
「この症状はなぜ起きているのか?」とロジカルに考える力と、
「本人が本当に困っているなら、それを信じて寄り添う力」の両方が必要ですよね。
論理だけでは人の心は動かない。
共感だけでは制度は変わらない。
だから、MCSに対して本当にやるべきことは、
「正しく知って、ちゃんと想像すること」
これに尽きると思うんです。
そしてMCS爆増社会でエシカルノーマルができることは確実にあると考えています。
自身でできる住環境の改善には限界があり、一般的な業者さんにハウスクリーニングをお願いしても劇薬を使っての清掃になってしまう。
グリーンウォッシュもなかなか100%見抜けません。
そんな中でエシカルノーマルの洗剤・薬剤、清掃手法は赤ちゃんやシニア、ペット家庭にも安心、かつMCSの方にも対応していますし、
まだ全店対応ではないですが、多くの店舗でユニフォームの洗濯に柔軟剤・合成洗剤を使わない、訪問前日は湯シャン、現場で使うタオルや道具まで配慮された「MCS対応スタッフ」が常駐しています。
香りに怯えていた人たちが、ようやくエアコンの下でも深呼吸できる日がくる。
エシカルノーマルはそんな社会を目指しています。
商品・サービスがコモデティ化してきたことで、ビジネスには今まで以上に「社会的視点」が必要になってきたんだと感じています。
社会性と収益性のバランスを高い次元で両立した事業展開をしているエシカルノーマル。
FC募集を始めてもうすぐ2年(現在21店舗)、
2026年3月までに30店舗を目指しています。
「新しいことに挑戦したい!」
「どうせならもっと世界を良くする仕事を!」
と考えてるあなたへ、「ぜひ仲間になってください!」と言いたい。
実際に声に出すわけではないですが、言いたい。
こっちばっかり言うの恥ずかしいのでそっちから早く言ってきてください。
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