環境問題に対しての取り組みが盛んになった今、「エシカル」という言葉が近年注目を浴びています。
同時に「エシカル商品」も普及するようになりました。
しかしエシカル商品とはどのような商品なのか、イマイチわからない方もいると思います。
今回はエシカル商品の特徴や、解決できる問題などについてご紹介します。
エシカル(ethical)とは「倫理的な」という意味を持っています。
しかし倫理的という言葉だと、あまりピンと来ない方もいますよね。
わかりやすくいうと「環境や社会、人に配慮していること」です。
つまりエシカル商品とは「環境や社会、人に配慮している商品」という意味です。
商品作りには原材料を生産する国、生産者、商品の製作者など、さまざまな関わりがあります。
関わりのある人や環境に配慮できる商品を作ることで、環境・社会・人の問題の解決につながります。
エシカル商品は食品やファッション、日用品など幅広く販売されており、今後も商品は少しずつ増えていくでしょう。
エシカル商品が普及する、あるいは購入することで「環境・社会・人」の3つに対して配慮ができます。
こちらではその3つの具体的な内容について説明します。
エシカル商品により地球環境への配慮が可能です。
グローバルな視点でみると、わたしたちが購入している商品の資源や原材料の多くは海外から輸入されており、世界とのつながりがあることがわかります。
しかしわたしたちの需要を満たすために商品の大量生産を行うと、世界中の資源や原材料も大量に消費されます。
生産された商品が必ずしも活用されるとは限らないので、大量に廃棄されることも少なくありません。
この大量生産・大量消費・大量廃棄が環境破壊を助長し、地球温暖化や生態系の破綻につながってしまうのです。
エシカル商品が普及すれば生産・消費・廃棄ともにムダがなくなり、環境破壊を抑制できます。
また環境問題に配慮するためには、エシカル商品の購入だけでなく「エコの心」をもつことも大切です。
エシカル商品は環境問題だけではなく、社会に対しての配慮にもつながります。
食品や衣服の原材料は日本だけではなく、発展途上国からたくさん輸入されています。
しかし発展途上国にいる生産者や労働者は社会的な立場が弱いため、先進国と低賃金で取引しているケースが多いです。
このままでは貧困に苦しむ人が増加し、先進国との貧富の差がさらに大きくなってしまいます。
その他にさまざまな日用品を作っている障がい者施設でも、障がい者が低賃金で働いていることが多いです。
このようなエシカル商品を購入することで、原材料の生産者、労働者に配慮して社会的な格差を取り除くことが可能です。
エシカル商品は地域にも配慮し、地元の支援にも関係しています。
ネット通販が当たり前になりつつある今、いつでも好きなところで商品の購入が可能です。
非常に便利な時代になっていますが、その反面地元で買い物をする頻度も少なくなってきています。
このようなエシカル商品の購入により、地域の活性化につながります。
もちろんネット通販でも地域の食品を購入できますが、たまにはネットではなく直接お店で買い物をしてみるのもいいかもしれませんよ。
出典:エシカル消費とは
エシカル商品の概要、エシカル商品でできることについて説明しました。
しかし実際にどんなエシカル商品があるのかわからない方もいると思います。
エシカル商品は大きく分けて3つに分類できます。
こちらでは商品別にそれぞれ説明していきます。
エシカル食品は人や環境、社会に配慮した食品のことを指します。
このようなエシカル食品が代表的です。
オーガニック食品は余計な農薬・化学肥料を使用せずに生産された有機野菜が中心です。
近年話題になっているヴィーガン食品も、動物を配慮する視点から考慮するとエシカル食品に分類されると考えられます。
またエシカル食品は野菜を中心とした食生活となりやすいことが特徴です。
野菜を積極的に摂取すれば、栄養バランスも整いやすいです。
周りの配慮だけではなく、自身の健康にもつながることがエシカル食品のいい点ですね。
エシカルファッションは服作りの原材料や作成する人に配慮したファッション商品を指す言葉です。
ウールやコットンなどオーガニックな素材を使用した商品、使わなくなった素材を再利用した商品などがあげられます。
エシカルファッションはハイブランドからファストファッションブランドまで、幅広い企業が取り入れています。
そのため自身のムリな経済負担をかけることなくエシカルファッションを取り入れることが可能です。
毎日身につけるモノをエシカル商品に切り替えるだけでも、環境や社会に配慮する意識が高くなりますよ。
エシカルコスメには以下のような種類があります。
ナチュラルコスメは植物や天然成分を原材料にしているコスメです。
無添加コスメは余計な添加物を配合していないコスメです。
このように環境や人に配慮したエシカルコスメは数多くあります。
しかしパッケージを確認するだけだと、どれがエシカルコスメなのか見分けがつかない場合があります。
その場合、パッケージ裏の原材料の表示などもしっかりと確認してみましょう。
上記の項目もエシカルコスメ選びの参考になります。
エシカル日用品も普段の日常で使用することが多いので、数多くの種類が販売されています。
このように使い捨てではなく、繰り返し使用できる商品が普及してきました。
なかには天然素材を使用し、ゴミとして焼却されても有害な化学物質が発生しない商品もあります。
日々当たり前に使用する日用品をエシカル商品に変えれば、環境や社会に大きく貢献できます。
こちらではエシカル商品の目安になるマークを説明します。
エシカル商品を探しているときに困った場合は、これから紹介するマークがついている商品を購入してみましょう
エコマークは環境への悪影響が少なく、環境にやさしいと判断された商品につけられるマークです。
わたしたちもよくエコマークを見かけることが多いのではないでしょうか。
エコマークは商品が原材料から作られて廃棄されるまでの段階において、以下の環境に対する4つの評価項目を中心に判断されています。
このような厳しい基準に合格し、認定を受けた商品だけがエコマークをつけることが可能です。
エコマークがついている商品は、日用品からアウトドア用品まで幅広い種類があります。
フェアトレードマークとは、原材料の生産から商品となるまでの過程で、公平な(フェアな)取引が行われていることを証明するマークです。
「エシカル商品でできること」の社会への配慮の項目で触れたとおり、発展途上国から生産された原材料の取引では、賃金の公平さに欠けるケースがあります。
発展途上国から生産された原材料を適切な価格で購入することで、貧困に悩んでいる人々をサポートできます。
フェアトレードマークがついている商品はおもに以下のとおりです。
このような食品は発展途上国から生産されているものが多いです。
発展途上国の貧困問題に貢献したい方はぜひフェアトレードマークの商品を購入してみてください。
出典:認証ラベルについて|フェアトレードとは?|fairtrade japan
FSC®︎(Forest Stewardship Council)認証マークは森林を適切に管理し、地域社会や労働者のことを配慮して生産された商品を表す認証マークです。
このマークは10の原則と70の基準を定めて商品を判断しています。
製造している場所から商品が並ぶまでの過程のすべてが審査の対象となっているため、厳しい基準とともに商品の信頼性が高いことがわかります。
FSC®︎認証マークがついている商品はおもに以下のものがあげられます。
このように木材を原材料とした商品が中心なのもFSC®認証商品の特徴です。
出典:森を守るFSCマークとは | Forest Stewardship Council
有機JAS(Japanese Agricultural Standards)マークは農薬や人工的に作られた化学肥料に頼らず、自然の力だけで生産された食品につけられるマークです。
農林水産大臣が定めた基準をクリアした商品だけが有機JASマークをつけられます。
商品の種類によってそれぞれ基準が異なり、生産工程や小分けといった過程も評価されます。
また有機JASマークがついている商品だけが「オーガニック」や「有機」の表示が許可されます。
お肉や野菜を購入するときの目印は有機JASマーク以外にも、「オーガニック」「有機」と表示されている商品を選べばいいので、わかりやすいですね。
海のエコラベル(MSC認証)とは、水産資源と環境の両方に配慮して管理した漁業で獲得した水産物であることを表すマークです。
世界中で魚の乱獲が進んでおり、水産資源が年々減少している問題が起きています。
海のエコラベルのついた水産物を購入すれば、乱獲による水産資源の枯渇を防ぎ、持続可能な漁業のサポートができます。
海のエコラベルの認証を取得している事業者は5,000を超えており、スーパーやレストラン、加工業などの現場も含まれているんです。
海鮮商品を購入するときに参考になるマークです。
出典:MSC「海のエコラベル」とは | Marine Stewardship Council
レインフォレスト・アライアンス認証とは、原材料が「社会」「経済」「環境」の3つの持続につながる方法で生産された商品を表すマークです。
3つの分野の他にも、以下の4つのテーマを基準にしています。
レインフォレスト認証がされている商品には、コーヒーや紅茶、バナナといった「農業、農園」に関係したものが多いです。
出典:「レインフォレスト・アライアンス認証」とは何を意味しているのですか?
RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)認証には2種類の認証制度があり、1つ目は農園や工場を対象に、持続可能な生産が行われているかの基準を満たした「P&C認証」
2つ目はパーム油を使用した商品を取り扱う過程で、一定の基準を満たした「SCCS認証」があります。
パーム油は食品から日用品まで幅広い用途があり、わたしたちの生活のなかでもたくさん使用されていることはご存じでしょうか。
RSPO認証はパーマ油を使用した商品をとおして、生産者や消費者の生活に配慮するためのマークといえるでしょう。
RSPO認証の企業ではサラヤが有名であり、洗剤や石鹸が該当しています。
日々の家事で使用される洗剤をRSPO認証の商品に変えるだけで、簡単にエシカルな取り組みができます。
出典:RSPO – Roundtable on Sustainable Palm Oil
GOTS(Global Organic Textile Standard)認証は、オーガニックな原材料を使用しつつ、環境・社会に配慮して生産されたことを示すマークです。
GOTS認証はおもに衣服や生地などの繊維商品が対象です。
多数の認証基準が設けられており、そのうちの1つには「商品で使用する繊維の95%または70%以上がオーガニック繊維」ということが決められています。
オーガニックな繊維商品は環境に対しての配慮だけでなく、自身の健康のためにもいいことがわかりますね。
ふるさと(地域特産品)認証食品はその名のとおり、地域独自の食品、地域の原材料を使用した食であることを示したマークです。
ふるさと認証食品を購入することで、地域の活性化につながります。
都道府県それぞれにふるさと認定食品があるため、地域によってさまざまな商品を楽しめます。
地域によって基準が異なりますが、共通していることは以下の3つです。
ちなみにふるさと認証食品のマークは、この英語の頭文字からとった「E」が3つ並んだものです。
地元のふるさと認証食品が気になる方はぜひ検索してみてください。
エシカル商品の概要と、具体的な商品などについてご紹介しました。
わたしたちが普段使用しているものをエシカル商品に変えることは、環境や人、社会の貢献につながります。
1つ1つの貢献が小さいものだとしても、積み重ねることでその力は大きくなります。
エシカルな取り組みに興味がある方は、ぜひエシカル商品を使用してみてください。
エシカルノーマルでは地球環境や人に最大限配慮したハウスクリーニングを行っています。
「家の中を綺麗にしたいけど、外の環境を汚したくない……」
そんなエシカルな考えを持っている方は、ぜひご活用ください。
※10Rとは3Rのリデュース(ゴミを減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(再利用する)から、独自に7つのRを追加した理念です