理由がわからないのに肌がかゆくなったり、かぶれたりする経験はありますか?
その原因は、もしかしたら洗濯で使用している洗剤と関係があるかもしれません。
洗剤は種類や使い方によっては、アレルギーを引き起こしてしまう危険性があります。
今回は洗剤でアレルギーが出現する原因や、その対策についてご紹介します。
洗剤がアレルギーを引き起こすメカニズムとは、一体どのようなものなのでしょうか。
こちらではアレルギーについて理解したうえで、それぞれの関係性について説明します。
アレルギーはよく「身体との相性が悪いこと」「拒否反応が出ること」というイメージで使用されることがあると思います。
しかし厳密には少し異なり、正しくは「身体の免疫機能が過剰に反応していること」を指す言葉です。
わたしたちの身体は免疫機能で常に守られていますが、特定の異物に対して過剰に反応をすることがあります。
その肌のかゆみやかぶれなどの過剰反応がアレルギー症状です。
アレルギーはおもに以下のような症状が出現します。
軽症なら上記のような症状だけで済みますが、なかには強いかゆみや呼吸困難などの重症になるケースもあります。
重度のアレルギー症状が出現した場合は、早期に医療機関で受診をすることが大切です。
アレルギーが出現する原因として、洗剤が含まれている成分が関係しています。
洗剤には洗濯物のカビを防いだり汚れを分解したりするために、さまざまな成分が含まれています。
免疫機能はその成分を異物と勘違いして、過剰反応を起こしアレルギーを引き起こしてしまうのです。
衣服に接触している場所にかゆみやかぶれが生じている人は、洗剤が原因でアレルギーが出現していると考えられるでしょう。
洗剤を使用して洗濯する以上、どうしても衣服に成分が残ってしまいます。
アレルギーの症状をおさえるためには、洗剤を別のものに変えることも検討する必要があります。
敏感肌やアトピー肌の人は、アレルギーが出現しやすいので注意が必要です。
とくに子どもや赤ちゃんは大人より肌が弱いので、少しの刺激でも肌トラブルが起きる危険性があります。
家族に敏感肌・アトピー肌の人、あるいは子ども・赤ちゃんがいる場合は、人によって洗剤を切り替えて洗濯をするという工夫も大切です。
また汗をかきやすい人も同じように注意が必要です。
汗をかくと衣類に残っている洗剤が溶けて、アレルギーが出現するケースもあります。
「最初はなんともないのに、動き回っている頃にかゆみやかぶれが出てくる」という人は、汗が原因かもしれません。
成分の多くが衣服に残っている証拠でもあるので、洗剤の量を減らしてみるのもおすすめです。
洗剤を選ぶときは何が含まれているのか、どのような人向けなのかをよく確認する必要があります。
こちらではアレルギーを出現させないための洗剤の選び方についてご紹介します。
洗剤には大きく分けて2種類に分類されます。
アレルギー症状をおさえたい人は合成洗剤よりも石けん洗剤がおすすめです。
それぞれ原材料や含まれている成分が異なるので、1つずつ解説します。
合成洗剤は石油や天然油脂などの原材料からできます。
石油を中心にさまざまな化学合成を行い、主成分である「合成界面活性剤」が作られて合成洗剤が完成します。
合成界面活性剤は、水と油のような反発してしまうものを混ぜられる人工的な成分です。
洗濯でガンコな汚れや皮脂を洗い流せるのは、この成分のおかげといってもいいでしょう。
しかし合成界面活性剤は刺激の強い成分でもあるため、アレルギーの原因にもなりやすいです。
合成洗剤は洗浄力は強いですが、肌のトラブルが起きやすい人にとってはおすすめできません。
石けん洗剤は脂肪酸や天然油脂といった動植物由来の原材料からできます。
石けん洗剤にも界面活性剤が含まれていますが、天然成分をもとに作られているので刺激が少ないです。
人工的な成分が含まれている合成洗剤と比較するとアレルギーが出現しにくいため、洗濯時に安心して使用しやすいです。
もちろん天然成分も刺激はゼロではないので、使用時に肌の異常を感じたらすぐに別の洗剤に変更しましょう。
また石けん洗剤・合成洗剤は、商品の品名表示を確認すると簡単に見分けがつきます。
洗剤の品名に「洗濯用石けん」または「洗濯用合成洗剤」と表記されているので、どちらの種類なのか困ったらパッケージの裏を確認してみましょう。
肌トラブルが起きないように、刺激の強い成分が含まれている洗剤はなるべく避けましょう。
注意すべき成分は以下のとおりです。
どの成分も洗濯した衣類をキレイにしたり、洗浄したりする際に役立ちますが、その反面肌への刺激が強くアレルギー反応が出やすいです。
「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩」は、合成界面活性剤のなかでもとくに肌トラブルが起きやすい成分なので注意が必要です。
アレルギーを出さないためにも、上記で紹介した成分の量が少ない、あるいは含まれていない洗剤を選びましょう。
肌トラブルが起きやすい子どものために、赤ちゃん用の洗剤を選ぶのもおすすめです。
赤ちゃん用の洗剤は大人用と比較すると、衣服に成分が残りにくい傾向にあります。
さらにふっくらとした仕上がりになりやすいので、衣服だけでなくタオルもチクチクしにくいです。
洗剤を家族共通で使用している場合、もしかしたら子どもにとって大人用のものは刺激が強いかもしれません。
赤ちゃん用の洗剤もたくさんの種類があるので、先ほど説明した刺激のある成分に注意しながら、子どもにピッタリなものを探してみましょう。
アレルギーを引き起こさないように洗剤を選ぶことも大切ですが、洗濯機の使い方の工夫も重要です。
「肌にやさしい洗剤を選んだのに、アレルギーが出てしまう」という人は、洗濯機の設定が間違っているかもしれません。
こちらでは洗濯機の正しい使い方について説明します。
洗剤を規定量より多く入れたり、目分量でなんとなく入れたりする人が多いのではないでしょうか。
洗剤は入れすぎず、決められた量を必ず守って使用しましょう。
量が多すぎると洗濯後も成分が衣類に多く残ってしまい、アレルギーを引き起こしやすくなります。
その他にも、以下のような悪影響があります。
このように肌トラブルだけでなく衣類や洗濯機など、さまざまな問題の原因となります。
また洗浄力に関しても、量が多ければ汚れが落ちやすいわけではありません。
もし洗剤を多く入れてしまった場合は、洗濯をした後にあらためて水ですすぐようにしましょう。
再度すすぐことで、衣服についた成分が溶けて流れるようになります。
すすぎをしっかりと行うことで、アレルギーの出現を防げます。
水道や電気代をムダにしないために「節水モード」や「時短モード」で、すすぎ回数を減らしている人もいるでしょう。
しかしすすぎの回数が不十分だと、衣服に付着した成分が残りやすくなるので、肌へのダメージが大きくなります。
すすぎの回数は「2〜3回」に設定して洗濯をしましょう。
洗剤の種類によっては裏のラベルに「すすぎは1回でもOK」という記載があります。
しかし敏感肌だったり子ども用の衣服を洗濯したりする場合は、少なくとも2回行うのが無難でしょう。
また洗濯機のなかに洗濯物をパンパンに詰め込むのも、すすぎが不十分になる原因です。
洗濯槽がいっぱいになると衣服やタオルの汚れが落ちにくく、成分も残りやすいです。
洗濯物が大量にある場合は時間がかかりますが、適度な量にとどめて数回に分けて洗濯することをおすすめします。
洗剤と同時に、ふわっとした仕上がりになる柔軟剤も使用することは多いでしょう。
しかし柔軟剤の成分もアレルギーの原因となりやすいので、注意が必要です。
柔軟剤を使用する場合は肌への刺激が少ない種類を選び、少量で投入するようにしましょう。
洗剤だけでも衣類をふっくらと仕上げてくれる種類もあるので、柔軟剤を使用しなくても問題ないこともあります。
柔軟剤の成分や、現在使用している洗剤との組み合わせなどを考慮したうえで、使用するかどうかを決めましょう。
洗剤とアレルギーの関係や、その対策についてご紹介しました。
ただなんとなく使用していると、思わぬ肌トラブルにつながる危険性があります。
アレルギーを引き起こさないためにも、ぜひ今回の記事を参考にして、洗剤の種類や含まれている成分などを確認してください。
自分や家族にピッタリな洗剤を使用して、毎日を健康に過ごしましょう。
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