最近ネットやテレビで「エシカル」という言葉を耳にする機会が多くなりました。
その言葉から派生した「エシカル食品」も少しずつ注目されています。
しかし、エシカル食品がどんな商品なのかイマイチわからない人もいるのではないでしょうか。
今回はエシカル食品の概要や、わたしたちの生活に取り入れるメリットについてご紹介します。
エシカル(ethical)は直訳すると「倫理的な」「道徳的な」という意味を持っています。
現代ではさらに踏み込んで「環境や人、社会への配慮」という意味合いで使用されることが多くなりました。
つまりエシカル食品とは「環境や人、社会への配慮をした食品」といえるでしょう。
今は地球温暖化だけでなく貧困や地域の過疎化など、さまざまな問題が世界中で起こっています。
わたしたちの生活にエシカル食品を取り入れることで、世界中の問題に配慮して持続的な地球環境の維持に貢献できます。
またエシカル食品以外にも「エシカル日用品」や「エシカルファッション」なども販売されており、今後も地球にやさしい商品が増えていくでしょう。
エシカル食品は近年少しずつ注目されはじめています。
その理由として、おもに以下の3つがあげられます。
こちらでは上記の3つの理由について、それぞれ詳しく説明します。
地球温暖化や陸・海の汚染などにより、地球の環境は少しずつ悪化しています。
その背景には商品の大量生産・大量消費・大量廃棄が関係しています。
商品の大量生産・消費のために資源が乱獲され、自然や生態系のバランスが崩れているからです。
また必要以上に生産された商品全部が、わたしたちの役に立っているわけではありません。
まだ使用できる、あるいは食べられる商品さえも廃棄される頻度が増えて、環境への負担がさらに大きくなっています。
エシカル食品を取り入れることで大量生産・大量消費・大量廃棄をおさえて、環境問題に対しての配慮が可能です。
農薬を使用していない食品や植物性由来の食品など、食べる人に配慮された商品も多いので、健康を気にしている人にもおすすめです。
日本で販売されている商品は、すべて国内で生産されているわけではなく、発展途上国で作られているケースもあります。
しかしその裏では、貧富の差による社会格差が問題視されているのです。
発展途上国の生産者は商品を作るために低賃金での労働を強いられており、はたらき続けても貧困から抜け出せない人が多くいます。
エシカル食品は貧富による格差に配慮した商品が販売されているので、発展途上国でみられる社会問題への貢献ができます。
その他にも障がい者への支援につながる商品も販売されているため、社会と人の両面に対する配慮が可能です。
今の時代はインターネットによる通信販売が普及しており、自宅にいても気軽に買い物ができるようになりました。
その反面、現地のお店で買い物をする頻度が少なくなっています。
通販を利用した買い物が当たり前になると、地域の経済が回らずに衰退する危険性もあるのです。
現地で販売されている商品の購入は、そのまま地域の活性化につながります。
その他にも、エシカル食品の購入も地域への配慮に対応しています。
地元で生産された食品の購入はもちろん、被災地で作られた商品の購入により、特定の地域の応援にもつながるでしょう。
また通販の利用は悪い点ばかりではなく、地域独自の素材を活用した食品の販売も増えています。
遠方の思い入れのある地域にも貢献しやすくなっているので、うまく活用することが大切です。
エシカル食品を取り入れることで環境や社会、地域に貢献できますが、その他にもたくさんのメリットがあります。
こちらでは「身体」と「企業」を中心としたメリットについて解説します。
先ほどの項目でも触れたとおり、エシカル食品は身体にやさしいものが多いです。
代表的なエシカル食品としては、農薬や添加物を使用せずに栽培された野菜があげられます。
栄養価が高く身体への害も少ないため、腸内環境や食事バランスを整えるのに効果的です。
エシカル食品は食生活を整えたい人、子どもに安全なものを食べさせてあげたい人におすすめできます。
環境や社会問題も大切ですが、自分や家族の身体を配慮することも重要なことですね。
企業がエシカル食品を取り入れることで、消費者からのイメージアップにつながります。
国内で「エシカル」という言葉が徐々に認知されはじめているため、エシカルな取り組みを行っている企業は好印象に映りやすいです。
さらにコロナウイルスの影響により在宅で過ごす時間が増えて、健康面を意識する人が多くなったのも追い風となりました。
企業がエシカル食品の提供をアピールすれば、売上だけではなく消費者からの信頼も高まるでしょう。
企業の従業員もエシカルな取り組みへの意識が高くなり、普段の生活でも環境や社会に対して配慮できるようになります。
エシカルな取り組みを行う方法は企業が提供する商品の活用が一番の近道なので、今後も参入する企業が増えていくと考えられます。
エシカル食品のメリットについて解説したうえで、実際にどのような食品が販売されているのかをご紹介します。
オーガニック野菜とは、農薬や化学肥料などを使用せずに生産された野菜を指し、有機野菜とも呼ばれています。
オーガニック野菜は自然の力だけで育てているので、環境や人にやさしい点が特徴です。
人気のエシカル食品である一方、農薬を使用せずに生産されている関係で、一般的な野菜と比較すると値段が割高の傾向にあります。
エシカルな取り組みに関心を持っていない人にとって、値段の高さからオーガニック野菜の購入を避けるケースも多いでしょう。
しかし栄養価も高く有害な薬を使用していないため、健康志向な人や家族を中心にオーガニック野菜にこだわる人は増えています。
オーガニック野菜を見分ける目印として「有機JASマーク」があります。
有機JASマークは、農林水産大臣がオーガニック農産物として認証した商品だけに付与されるマークです。
オーガニック野菜を探す際は、ぜひこの認定マークを参考にしてみてください。
フェアトレードとは「公正な取引」を意味しており、発展途上国から適切な価格で取引をした商品を「フェアトレード商品」と呼びます。
フェアトレード商品にはコーヒーやバナナ、ワイン、衣類などさまざまなものがあげられます。
フェアトレード商品の購入により、発展途上国で起こっている貧困問題への支援が可能です。
生産者は商品に対して正当な対価が支払われるので、安定した生活を過ごせます。
その他にも医療施設や学校の建設、インフラの整備などに寄付される場合もあるでしょう。
また該当する商品には「国際フェアトレード認証ラベル」というマークが付けられています。
国際フェアトレード認証ラベルは、生産から製造までの工程で一定の基準をクリアした商品だけに付与されるマークです。
エシカル食品をとおして発展途上国に支援をしたい人は、このマークを目印に購入してみてください。
出典:認証ラベルについて|フェアトレードとは?|fairtrade japan|公式サイト
代替ミルクとは牛乳の代わりに植物性の原材料から作られたミルクを指し、オルタナティブミルクとも呼ばれています。
牛乳と比較するとヘルシーな点や栄養価が高い点から、健康や美容を意識している人に人気があります。
牛乳や乳製品でお腹の調子が悪くなる人でも、代替ミルクなら安心して取り入れられるでしょう。
代替ミルクのおもな種類は以下のとおりです。
とくにビタミンやミネラルが豊富な「豆乳」は代表的な代替ミルクであり、飲んだことがある人も多いのではないのでしょうか。
その他のミルクもお店でよく販売しているので、興味がある人は購入してみてください。
代替肉とは、動物の代わりに大豆や小麦といった植物性の食材を使用したお肉を指します。
「大豆ミート」「ソイミート」などで呼ばれることもあり、ヴィーガン(完全菜食主義者)をはじめとして世界で注目されている食品です。
代替肉を取り入れるメリットには以下の点があげられます。
家畜を飼育する畜産業は牧草地や餌の穀物を確保するため、大規模な森林伐採が必要です。
そのため自然に悪影響を与え、環境への負担が大きくなる原因となっています。
肉を食べるためには動物を殺さなければいけませんが、その必要性に疑問を感じている人もいます。
動物のお肉から代替肉に変更すれば、殺される動物を少しでも減らすことが可能でしょう。
また代替肉は高タンパク質で低カロリーなため、健康を気にしている人におすすめです。
現代の技術で食感や風味も普通のお肉のように再現されているので、興味がある人はぜひ一度試しに食べてみましょう。
さまざまな問題に配慮できるエシカル食品を提供する企業は徐々に増えています。こちらではいくつかの企業を例に紹介します。
シンプルで自然な商品が特徴的な「無印良品」では、以下のようなエシカル食品が販売されています。
原材料のムダな廃棄を防ぐために、製造の過程で形が崩れている、あるいは焼き目に差があるお菓子を商品として販売しています。
見た目はやや不揃いですが品質に変わりはないので、どのお菓子も美味しく食べられますよ。
そして一時期テレビやネットで有名になったコオロギせんべいを購入できます。
一見コオロギと聞くと「おいしいの?」と疑問に思う人もいると思いますが、味はエビに近いので「エビせん」感覚で食べられます。
コオロギは栄養価が高く飼育に必要なコストをおさえられるため、環境への負担が少ないのも1つの特徴です。
コオロギせんべいを含めた昆虫食は世界的にも注目されているので、将来的にはさらなる食品開発が進められると考えられます。
出典:コオロギせんべい 55g | せんべい・和菓子 通販 | 無印良品
さまざまな商品をお手ごろな価格で購入できるイオンの「トップバリュ」では、おもに以下のエシカル食品を提供しています。
オーガニック食品には「有機JAS認証」が、フェアトレード食品には「国際フェアトレード認証ラベル」が付与されているため、どれも安心して購入が可能です。
またプラスチックを削減するために、容器包装に対しての取り組みも行われています。
包装フィルムに植物由来の原材料を使用したり、軽量化したりすることで、環境に対して配慮をしています。
トップバリュが掲げている「CO2の排出量ゼロ」を目標に、今後もエシカルな取り組みに期待できるでしょう。
出典:環境への取り組み – イオンのプライベートブランド TOPVALU
代表的なコンビニエンスストアである「セブン-イレブン」は、食品ロスを削減するための取り組みが行われています。
販売期限が近づいている食品には緑色のエシカルシールを貼っています。
シールが貼られている食品を電子マネーで購入すると、価格の5%分の追加ポイントが付与される仕組みです。
この取り組みでは、販売期限が近づいている食品がすべて「エシカル食品」に変わるのが良い点ですね。
消費者はシールが貼られている食品を購入するだけでお得になり、エシカルな取り組みに参加するきっかけにもなります。
セブン-イレブンで食品を購入する際は、ぜひエシカルシールが貼っているものを積極的に選んでみてください。
出典:食品ロス削減のためエシカルプロジェクトを推進しています!
エシカル食品の概要やメリットについてご紹介しました。
エシカル食品は環境や社会などに配慮できるだけでなく、栄養価が高く身体にもやさしい商品が多いのが特徴です。
また企業にとってもイメージアップにつながりやすいため、今後も新しい商品が増えていくと考えられます。
一人ひとりの積み重ねが未来の地球環境を守るきっかけになるので、興味がある人は身近なエシカル食品を試してみてください。
エシカルノーマルでは地球環境や人に最大限配慮したハウスクリーニングを行っています。
「家の中を綺麗にしたいけど、外の環境を汚したくない……」
そんなエシカルな考えを持っている方は、ぜひご活用ください。
※10Rとは3Rのリデュース(ゴミを減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(再利用する)から、独自に7つのRを追加した理念です